そもそもその土地、家が建てられますか? 間取りに関わる法規①
家を建てるなら、満天の星空を見られるこの場所に、とか、大好きな海の近くに建てれば毎朝波乗りできる!とか、人家があまり見られない場所に家を建てたい方はいらっしゃいませんか。でもちょっと待って。実は、その土地、家が建てられない場所かも…? 今回は「家が建てられる土地」について解説します!
どこにでも家が建てられるわけではない
あまり人家のない場所だからこそ、家を建てたくなる気持ち、わかります。
けれど、人家が建っていないのにはわけがあります。その土地は人が住む住宅が建てられない場所なのかもしれません。
そもそも日本の土地は「都市計画法」という法律によって区分けされています。
ルールなく家や施設が立ち並んでしまうと色々な悪影響があるため、その法律によって建物を建てていい場所、建ててはいけない場所を定めているのです。それが、下記の図です。
基本的に家を建ててはいけない場所は「市街化調整区域」と、「市街化区域」内の「工業専用地域」だということがわかりますね。
市街化調整区域では風景や資源を守ることが優先され、工業専用地域は(生活しやすさよりも)工業の振興を優先している地域だからです。
例外もあるけれど…
市街化調整区域は、「原則」家が建てられないのであって、都市計画法の開発許可を得られれば建物を建てることはできます。
また、その土地で農業や漁業、林業などに携わる人のための住宅は許可なしで建てても良いことになっています。そのため、上記の開発許可を得た事業者が、分譲住宅を販売していることもあります。
しかし、やはり原則は原則。
建物の老朽化などで建てなおしたくてもいろいろな制限があったり、物件を売りたくても思ったように売れなかったり、ということがあるようです。
付近の相場から見ると安く売りに出されることが多いようですが、まずはしっかり「原則的には家が建てられない土地」であることを知っておきましょう。
まとめ
ずっと憧れていた場所に家が建てられないのでがっかりされた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、美しい環境や、暮らしやすさを守るためにはやはり一定のルールが必要なのです。
次回は「市街化地域」に設定された「用途地域」について説明します。
家の設計や間取りは選ぶ土地とは切っても切れない関係。
欲しい間取りの家ができるかどうかは、その土地に設定された用途も影響してくるというお話です。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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